鳩が豆鉄砲を食ったよう 意味 使い方 類義語 由来 英語

「鳩が豆鉄砲を食ったよう」ということわざをご存知でしょうか?

鳩は普段からよく見かける身近な鳥であり、なおかつ平和の象徴とも言われています。ただ、実際に鳩が豆鉄砲を食った場面に出くわしたことがある人はなかなかいないと思われます。

そこで今回は、このことわざの意味や由来、例文、別の言い方などを詳しく解説しました。

鳩が豆鉄砲を食ったようの意味・読み方

 

最初に、読み方と基本的な意味を紹介します。

【鳩が豆鉄砲を食ったよう(はとがまめでっぽうをくったよう)】

突然のことに驚いて目を丸くするさま。あっけにとられるさま。

出典:三省堂 大辞林

鳩が豆鉄砲を食ったよう」は、「はとがまめでっぽうをくったよう」と読みます。

意味は「突然のことに驚いて、あっけにとられる様子」を表したものです。「あっけにとられる」とは、意外な出来事に驚く様子のことだと考えて下さい。

例えば、友人から突然の誕生日サプライズを受けるような人がいたとします。自分の誕生日であることは知っていたものの、まさか急に祝われるとは思っていませんでした。

その時の表情が、驚いてあっけにとられていれば、「彼は鳩が豆鉄砲を食ったようだった」などと表現することができます。

つまり、「鳩が豆鉄砲を食ったよう」とは予想外の出来事が起こり、その人が驚いて目を丸くするような様子を表す慣用句ということです。

鳩が豆鉄砲を食ったようの語源・由来

 

「鳩が豆鉄砲を食ったよう」は、豆鉄砲で撃たれた鳩が、あっけにとられる様子からできたものです。

「鉄砲」と聞くと何だか怖い感じがしますよね?「まして鳩を撃つなんて・・・」と思う方もいるかもしれません。しかし、ここでの「鉄砲」というのは本物の鉄砲を指しているわけではありません。

「豆鉄砲」とは弾ではなく、鳩の大好物である豆を入れて撃つ竹のおもちゃを指します。そのため、鳩が豆鉄砲で撃たれても実際にはそこまで大きな衝撃はないことになります。

とはいえ、撃たれた鳩は突然の出来事にびっくりします。そして、目の前には大好物である豆が転がっています。どうしていいかわからずに、目を丸くする鳩の顔が目に浮かぶでしょう。

この事から、「あっけにとられる様子・キョトンとする様子」を意味することわざが生まれたわけです。何の前触れもなく思いがけないことが起きると、状況がつかめず戸惑うのは私たち人間も同じだと言えます。

なお、このことわざの「食う」とは「食べる」という意味ではありません。「食う」は「受ける・こうむる」という意味です。

すなわち、「鳩が豆鉄砲を受けたよう」というのが、本来の意味となります。「お目玉を食う」「肩透かしを食う」などの慣用句も同じ意味での用例です。

鳩が豆鉄砲を食ったようの類義語

鳩が豆鉄砲を食ったよう 類義語 言い換え

続いて、「鳩が豆鉄砲を食ったよう」の類義語を紹介します。

面食らう(めんくらう)】⇒どうしていいかわからず、思い迷う様子。
寝耳に水(ねみみにみず)】⇒不意の出来事に驚く様子。
目が点になる(めがてんになる)】⇒あきれ返り驚いた表情になること。
二の句が継げない(にのくがつげない)】⇒驚いて、次に言うべき言葉が出てこない。

類義語は「突然の出来事への驚き」、それから「何を言うべきか、どう行動すべきかがわからない」という意味を持つ語となります。

ことわざや慣用句には、「驚き」を表すものが数多くあります。その中でも、あわてふためく様子よりは、思考や動きが止まってしまうことを表した言葉が類義語となります。

なお、「鳩に豆鉄砲」「豆が鳩鉄砲を食ったよう」などの言い方をする場合もあります。前者は正しい使い方なので、全く同じ意味だと考えて構いません。

一方で、後者の「豆が鳩鉄砲を食ったよう」は、「鳩」と「豆」を入れ替えた造語(誤用)です。一種の言葉遊びのようなものだと考えればよいです。こちらは本来の正しい使い方ではないなので注意してください。

鳩が豆鉄砲を食ったようの英語訳

 

「鳩が豆鉄砲を食ったよう」は、英語だと次のように言います。

blank look(ぽかんとした顔)」

dumbfound(ものが言えないほどびっくりさせる)」

「blank」は、顔などに対して「ぽかんとした・無表情の」という意味を表します、そして、「look」には「顔つき・容貌」といった意味があります。

また、「dumbfound」は、「びっくりさせる」という意味の動詞ですが、「びっくりさせられる」と受け身で使うときは「dumbfounded」という形容詞になります。

例文だと、以下のような使い方です。

He gave her a blank look.(彼は彼女にぽかんとした顔をした。)

She is dumbfounded.(彼女は呆然としている。)

その他には、次のような言い方も可能です。

「like a duck in thunder」(雷が鳴っているときのあひるのよう)

動物や状況は違えど、似たような例えが英語にも存在することになります。

鳩が豆鉄砲を食ったようの使い方・例文

 

最後に、「鳩が豆鉄砲を食ったよう」の使い方を例文で紹介しておきます。

  1. 急な結婚の報告を聞き、両親は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていた。
  2. 突然家を訪問したので、彼は鳩が豆鉄砲を食ったような表情をしていた。
  3. サプライズをした時、彼女は鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていたようだ。
  4. 鳩が豆鉄砲を食ったような様子でこちらを見てきたので、何かあったに違いない。
  5. そんなに驚いた表情をするなんて、鳩に豆鉄砲とはまさにあなたのことだ。
  6. 鳩が豆鉄砲を食ったようにキョトンとしているけど、何かあったのかい?

 

「鳩が豆鉄砲を食ったよう」は、何かに驚いたりあっけにとられているような人に対して使います。例文をみてみると、使える場面は身近によくあることが分かるでしょう。

ただ、このことわざは「鳩にいたずらをして驚かせたこと」からできたものでした。そのため、驚いた相手をからかったり面白がったりするという意味も多少含まれています。

ゆえに、自分と同格の人もしくは目下の人に対して使うのが無難だと言えます。逆に言えば、自分よりも目上の人に対しては使う言葉ではないと考えてください。

まとめ

 

以上、本記事のまとめです。

鳩が豆鉄砲を食ったよう」=突然のことに驚いて、あっけにとられるさま。

語源・由来」=突然豆鉄砲で撃たれた鳩が、どうしていいかわからず目を丸くしたことから。

類義語」=「面食らう・寝耳に水・目が点になる・二の句が継げない」

英語訳」=「blank look」「dumbfound」

「豆鉄砲」とは「弾に豆を使う玩具の鉄砲」を指します。この豆鉄砲で撃たれた鳩は、突然の出来事にびっくりします。この事からできたことわざが「鳩が豆鉄砲を食ったよう」だと覚えておきましょう。