『走れメロス』は、中学国語の授業で学ぶ小説文です。有名な作品なので、教科書にはほぼ取り上げられています。
ただ、本文中には難しい言葉も多く出てきます。そこで今回は、『走れメロス』に登場する漢字や重要語句を一覧にして簡単にまとめました。
第一場面:メロスの王への激怒
メロスは激怒した。~
【激怒(げきど)】⇒はげしく怒ること。
【邪知暴虐(じゃちぼうぎゃく)】⇒悪知恵を働かせ、乱暴で残酷な苦しみを人々に与えること。「邪知」は「悪知恵」、「暴虐」は「乱暴で残酷な行為」を表す。
【牧人(ぼくじん)】⇒牧場で牛や馬などの世話をする人。
【邪悪(じゃあく)】⇒不正で悪いこと。
【敏感(びんかん)】⇒感覚や感度が鋭いこと。
【未明(みめい)】⇒まだ夜が明けきらない時間帯。
【女房(にょうぼう)】⇒妻のこと。
【内気(うちき)】⇒気が弱く、人前では、はきはきしない性格。
【10里(り)】⇒約40kmほどの距離。一里は約3.927kmを指す。
【律儀(りちぎ)】⇒きわめて義理堅いこと。実直なこと。
【花婿(はなむこ)】⇒結婚式でこれから婿(むこ)となる男性。新郎。
【花嫁(はなよめ)】⇒結婚式でこれから嫁(よめ)となる女性。新婦。
【祝宴(しゅくえん)】⇒祝いの宴会。
【大路(おおじ)】⇒町中の大きな道。大通り。
【竹馬の友(ちくばのとも)】⇒幼いころからの親しい友人。※竹馬に乗って一緒に遊んだ幼い頃からの友達という意から。
【石工(いしく)】⇒山から石材を切り出し、それを刻んで細工をする職人。
【のんき】⇒性格や気分がのんびりとしていること。
【若い衆(わかいしゅ)】⇒年の若い男。若者。
【老爺(ろうや)】⇒年をとった男性。
【語勢(ごせい)】⇒話したり書いたりするときの言葉の勢い。語気。語調。
【はばかる】⇒気がねする。遠慮する。
【悪心(あくしん)】⇒悪事をしようとするよこしまな心。
【妹婿(いもうとむこ)】⇒妹の夫。
【お世継ぎ(およつぎ)】⇒一家の長の立場を次ぐ者。
【皇后(こうごう)】⇒天皇・皇帝の正妻。
【賢臣(けんしん)】⇒賢明で有能な臣下。
【乱心(らんしん)】⇒心が乱れ、狂うこと。逆上したりして分別をなくしてしまうこと。
【少しく(すこしく)】⇒少しばかり。いささか。
【人質(ひとじち)】⇒交渉を有利にするために、身柄を拘束された人。
【拒む(こばむ)】⇒受け入れをかたく断る。拒否する。
第二場面:セリヌンティウスを人質にする
メロスは、単純な男であった。買い物を、背負ったままで、のそのそ王城に入っていった。~
【のそのそ】⇒ゆっくりと歩くさま。
【王城(おうじょう)】⇒王の居住する城。王宮。
【巡邏(じゅんら)】⇒見回り。
【警吏(けいり)】⇒警察官吏。警察官。
【捕縛(ほばく)】⇒とらえてしばること。
【懐中(かいちゅう)】⇒ふところ、またはポケットの中。
【短剣(たんけん)】⇒みじかい剣。
【暴君(ぼうくん)】⇒人民を苦しめる暴虐な君主。
【威厳(いげん)】⇒近寄りがたいほど堂々としておごそかなこと。
【蒼白(そうはく)】⇒青白いこと。血の気がなく、青ざめていること。
【眉間(みけん)】⇒眉 (まゆ)と眉との間。額の中央。
【憫笑(びんしょう)】⇒あわれんで笑うこと。
【孤独(こどく)】⇒ひとりぼっちであること。
【いきりたつ】⇒激しく怒って興奮する。
【反駁(はんばく)】⇒他人の主張や批判に対して論じ返すこと。反論。
【悪徳(あくとく)】⇒道義から外れた言行。※「道義」とは「人のふみ行うべき正しい道」。
【民(たみ)】⇒君主国で君主の支配下にある人々。臣民。
【忠誠(ちゅうせい)】⇒忠実で正直な心。また、忠義を尽くすこと。
【私欲(しよく) 】⇒自分一人の利益だけを考える気持ち。
【嘲笑(ちょうしょう)】⇒あざけり笑うこと。
【報いる(むくいる)】⇒返答する。
【清らか(きよらか)】⇒清純なさま。けがれなく澄みきって美しいさま。
【はらわた】⇒こころ。性根。
【見え透く(みえすく)】⇒相手が隠そうとしている考え・意図がよくわかる。
【うぬぼれる】⇒実際以上に自分がすぐれていると思い込んで得意になる。
【命乞い(いのちごい)】⇒殺されるはずの命が助かるように、頼むこと。
【ためらう】⇒あれこれ考えて迷う。決心がつかずにぐずぐずする。
【情(なさ)けをかける】⇒相手に気を配る。 弱い者をいたわり、親切にする。
【処刑(しょけい)】⇒死刑に処すること。
【日限(にちげん)】⇒前もって一定の期日を指定すること。
【亭主(ていしゅ)】⇒夫。
【挙げる(あげる)】⇒執(と)り行う。
【しゃがれた】⇒声などががさがさしたり、かすれたりしているさま。
【無二(むに)】⇒同じものが他に一つもないこと。並ぶものがないこと。
【日暮れ(ひぐれ)】⇒日の暮れるころ。夕暮れ。
【残虐(ざんぎゃく)】⇒むごたらしいこと。無慈悲すぎるさま。
【ほくそ笑む(ほくそえむ)】⇒ひそかに笑うこと。
【気味がいい(きみがいい)】⇒好ましく思っていない人が災難にあったり失敗したりして愉快である。
【磔刑(たっけい)】⇒はりつけの刑。
【やつばら】⇒複数の人を卑(いや)しめていう語。やつら。
【じだんだをふむ】⇒悔しがったり怒ったりして、激しく地を踏(ふ)む。
【召(め)された】⇒呼ばれた。
【面前(めんぜん)】⇒目の前。見ている前。
【相会う(あいあう)】⇒互いに会う。対面する。
【一切(いっさい)】⇒全部。すべて。
【ひしと】⇒すきまなく密着するさま。しっかりと。ぴったりと。
【縄を打つ(なわをうつ)】⇒捕らえて縛る。
【満天の星(まんてんの星)】⇒空いっぱいの星。空一面の星。
第三場面:村に戻り妹に結婚式を挙げさせる
メロスはその夜、一睡もせず十里の道を急ぎに急いで、村へ到着したのは~
【一睡(いっすい)】⇒ちょっと眠ること。ひと眠り。
【到着(とうちゃく)】⇒目的地などに行きつくこと。
【羊群の番(ようぐんのばん)】⇒羊のむれを見張る仕事。
【疲労困憊(ひろうこんぱい)】⇒ひどく疲れ果てること。
【努める(つとめる)】⇒無理をしたり、がまんしたりして行う。こらえてする。
【ほおを赤らめる】⇒恥ずかしさなどから顔を赤くすること。
【祭壇(さいだん)】⇒祭りを行うために設けられた壇。神仏・精霊・死霊などに供え物を置く。
【飾る(かざる)】⇒ 物を人目につくように工夫して置き並べる。
【倒れ伏す(たおれふす)】⇒倒れて横たわる。
【頑強(がんきょう)】⇒自分の考えや態度をかたくなに守り、簡単に屈しないさま。
【承諾(しょうだく)】⇒相手の希望や要求などを聞いて、受け入れること。
【すかす】⇒こちらの言うことを聞き入れるようにさせる。
【説き伏せる(ときふせる)】⇒相手によく説明して、自分の考えや意見に従わせる。
【宣誓(せんせい)】⇒多くの人の前で誓いの言葉を述べること。
【車軸を流す(しゃじくをながす)】⇒車軸のような太い雨脚の雨が降る。大雨の降る様子を言う。
【列席(れっせき)】⇒その席につらなること。出席すること。
【不吉(ふきつ)】⇒不運の兆(きざ)しがあること。
【めいめい】⇒ひとりひとり。それぞれ。
【陽気(ようき)】⇒にぎやかで明るいこと。
【喜色(きしょく)】⇒うれしそうな顔つき。喜んでいるようす。
【たたえる】⇒ある表情を浮かべる。感情を顔に表す。
【華やか(はなやか)】⇒勢いなどが盛んなさま。
【豪雨(ごうう)】⇒激しい勢いで大量に降る雨。
【生涯(しょうがい)】⇒この世に生きている間。一生の間。
【ままならぬ】⇒思いどおりにならない。
【未練の情(みれんのじょう)】⇒あきらめきれない気持ち。
【今宵(こよい)】⇒今夜。今晩。
【呆然(ぼうぜん)】⇒気抜けしたようにぼんやりするさま
【歓喜に酔う】⇒よい出来事が起こって非常に喜ぶこと。
【御免こうむる(ごめんこうむる)】⇒失礼する。相手の許しを得て退出する。
【誇り(ほこり)】⇒誇ること。名誉に感じる心。
【夢見心地(ゆめみごこち)】⇒夢のようなうっとりとした気持ち。
【支度(したく)】⇒準備。用意。
【もみ手(て)】⇒左右の手のひらを相互にすり合わせ、もむようにすること。多く、頼み事や謝罪・弁解などをするときの手つきを指す。
【会釈(えしゃく)】⇒軽くあいさつや礼を交わすこと。
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