「あなたの世界を変えるかも」は、教科書・現代の国語で学習する文章です。そのため、定期テストの問題にも出題されています。
ただ、実際に文章を読むと筆者の主張が分かりにくいと感じる箇所も多いです。そこで今回は、「読書は必要か?あなたの世界を変えるかも」のあらすじや要約、意味調べなどを解説しました。
「あなたの世界を変えるかも」のあらすじ
「読書は趣味の範囲であり、読んでも読まなくても構わないのではないか」という問いに、「賛成」と答えることに不安とためらいを覚える。それは、読書という行為は言葉と密接に関わっているからである。
私たちが一つの共通の世界に生きているのは実は錯覚で、本当は一人の内なる世界像を生きているに過ぎないのではないか。そして、どうやら言葉はそのことに深く関わっているらしい。
我々は普段は意識しないが、自らの内なる言葉が作り出した世界像の上で生きている。つまり、人間は言葉の介在無しに世界そのものを直に生きることはできない。逆に言えば、言葉によって世界像は書き換えられていることになる。一つの言葉を知ったことによって、世界像が変化するようなことはよくある。
読書という行為だけが内なる言葉を養うわけではない。だが、本が言葉の、すなわち他者の世界像の塊であることもまた確かである。私が読書に特別な意味を見出だしたくなるのはそのためではないか、と考えた。
「あなたの世界を変えるかも」の要約&本文解説
この文章では、読書が単なる趣味とは言えない理由について考察がされています。
筆者はまず、私たちは共通の世界に生きていると思っていても、実際には一人ひとりが「内なる世界像」の中で生きていると述べています。そして、その世界像を形作るものが「言葉」だと指摘しています。
私たちは、言葉なしに世界を直接経験することはできず、逆に言葉によって世界の見え方が変わることもあります。たとえば、「虹」という言葉を知らなければ、色の連なりをただの光の現象として見るかもしれませんが、言葉を知ることで、「虹」を特別なものとして認識するようになります。
読書は、そうした言葉を豊かにする手段の一つであり、本には他者の世界観が詰まっています。もちろん、読書だけが言葉を養う方法ではありませんが、読書は他人の視点を取り入れる貴重な機会となります。
だからこそ、筆者は読書を単なる趣味とは言い切れず、特別な意味を見出だしたくなるものだと考えているのです。
「あなたの世界を変えるかも」の意味調べノート
【必修(ひっしゅう)】⇒必ず学ばなければならないこと。
【乾杯(かんぱい)】⇒祝いや挨拶のために杯を交わすこと。
【趣味(しゅみ)】⇒楽しみとして好んで行うもの。
【密接(みっせつ)】⇒非常に関係が深いこと。
【無意識(むいしき)】⇒自分で意識しないこと。また、その状態。
【出生(しゅっせい)】⇒生まれること。生まれた土地や身分を指すこともある。
【覆る(くつがえる)】⇒ひっくり返る。これまでの考えや立場が変わる。
【錯覚(さっかく)】⇒思い違い。
【内なる(うちなる)】⇒心の中の。自分の内部にあるもの。
【介在(かいざい)】⇒両者の間に存在すること。
【直に(じかに)】⇒直接に。すぐ近くで。
【カスタネットガール】⇒カスタネットを演奏する女性。
【種族(しゅぞく)】⇒共通の特徴を持つ集団。民族や人類の集団を指すこともある。
【忍耐強い(にんたいづよい)】⇒困難や苦しみに耐える力が強いこと。
「あなたの世界を変えるかも」のテスト対策問題
次の傍線部の仮名を漢字に直しなさい。
①ヒッシュウ科目を履修する。
②ガッキをお店で買う。
③ミッセツな関係を築く。
④多くの要素がカイザイする。
⑤ニンタイ強く努力を続ける。
次の語句の意味を簡単に答えなさい。
①「錯覚」②「内なる」③「直に」
本文の内容に最も合致するものを、次の選択肢から一つ選びなさい。
A. 言葉は世界像に影響を与えることはない。
B. 読書は趣味の範囲を超えた特別な意味を持つ。
C. 世界像は生まれたときから決まっており、変化しない。
D. 言葉を知ることによって、内なる世界像は変わることはない。
まとめ
今回は、「読書は必要か?あなたの世界を変えるかも」について解説しました。ぜひ定期テストの対策として頂ければと思います。