教科書 『セメント樽の中の手紙』 語句調べ ノート テスト 漢字 ふりがな

『セメント樽の中の手紙』は、高校国語・現代文の教科書に載せられている作品です。葉山嘉樹という作者によって書かれたもので、労働者の厳しい現実を描いたプロレタリア文学の一つとして知られています。

ただ、本文中には意味の分かりにくい言葉も多く出てきます。そこで今回は、『セメント樽の中の手紙』に登場する漢字や重要語句を簡単にまとめました。

前半部分の語句・漢字一覧

 

【松戸与三(まつどよぞう)】⇒本作の主人公。セメントを扱う現場の労働者。

【セメント】⇒コンクリートを作るための材料の一つ。灰色の粉末をしている。

【蔽われて(おおわれて)】⇒覆われて。

【しゃちこばる】⇒「しゃちほこばる」の「ほ」を抜いた形。「しゃちほこばる」とは「緊張してかたくなる」という意味で、ここでは、呼吸とともにセメント紛が鼻の中に入り、「(鼻毛を)固まらせているさま」を表している。

【才(さい)】⇒体積の単位。ここでの10才は、家庭用の浴槽約1.5杯分を表す。

【遂々(とうとう)】⇒とうとう。

【掃除(そうじ)】⇒汚れを取り去ること。

【暇(ひま)】⇒休み。自由に使える時間。

【石膏細工(せっこうざいく)】⇒石膏を材料として作った細工物のこと。

【硬化(こうか)】⇒物がかたくなること。

【仕舞時分(しまいじぶん)】⇒仕事が終わった頃。「仕舞」とは「物事の終わりの部分。最後」、「時分」とは「時。頃」を指す。

【不審(ふしん)】⇒疑わしく思うこと。

【シャヴル】⇒シャベルのこと。

【法はない(ほうはない)】⇒定まったやり方、正しいあり方などはない。「法」はここでは「 物事をする定まったやり方。正しい仕方」を表す。

【腹かけ(はらかけ)】⇒職人の作業着。

【丼(どんぶり)】⇒職人などの腹かけの前部につけた大きな物入れ。

【処(ところ)】⇒ところ。

【金(かね)】⇒お金のこと。

【空廻り(からまわり)】⇒車輪や機関などが、本来の働きをしないで無駄に回転すること。

【終業時間(しゅうぎょうじかん)】⇒仕事が終わる時間のこと。

【専門(せんもん)】⇒もっぱら関心を向けている事柄。

【長屋(ながや)】⇒一つの建物の中に複数の住戸が作られた集合住宅のこと。

【発電所(はつでんしょ)】⇒水力・熱機関・原子力などを動力として発電機を回転させ、電力を発生させる施設。

【八分(はちぶ)】⇒8割。

【夕暗(ゆうやみ)】⇒夕闇。日没後、月が出るまでの間の暗闇。

【聳える(そびえる)】⇒山などが非常に高く立つ。そそりたつ。

【恵那山(えなさん)】⇒長野県と岐阜県をまたがる、木曽山脈(日本アルプス)にある山。

【凍える(こごえる)】⇒寒さのために体が冷えきって固くなり、自由がきかなくなる。

【木曽川(きそがわ)】⇒長野県から岐阜県・愛知県・三重県を経て伊勢湾に注ぐ川。

【泡をかむ(あわをかむ)】⇒激流が岩にあたり、白い泡をあげている。

【嚊(かかあ】⇒自分の妻または他人の妻を親しんで言う語。ここでは、自分(主人公)の妻を指した語。

【又(また)】⇒また。

【此(この)】⇒この。

【日当(にっとう)】⇒一日の給料。

【べらぼうめ】⇒バカ・アホなどの意味。相手をののしっていう語。

【頑丈(がんじょう)】⇒物の作りがしっかりとしていて、壊れにくいさま。

【釘(くぎ)づけ】⇒釘で打ちつけて物を動かないようにすること。

【自棄(やけ)】⇒物事が自分の思い通りに運ばず、どうにでもなれという気持ちになり、思慮のない乱暴な振る舞いをすること。

後半部分の語句・漢字一覧

 

【女工(じょこう)】⇒明治以降第二次大戦まで、工場で働く女性の労働者をいった語。

【破砕器(くらっしゃー)】⇒石を砕く機械のこと。

【溺れる(おぼれる)】⇒泳げないで死にそうになる。

【粉砕筒(ふんさいとう)】⇒筒状の粉砕機のこと。

【鋼鉄(こうてつ)】⇒はがねのこと。

【弾丸(だんがん)】⇒銃弾や砲弾などの総称。

【粉々(こなごな)】⇒ごく細かに砕けるさま。

【一切(いっさい)】⇒全部。すべて。

【許り(ばかり)】⇒ばかり。~だけ。~のみ。

【仕舞い込む(しまいこむ)】⇒物を奥まった所へしまう。

【幾(いく)】⇒数量の不明・不定の意を表す語。

【左官屋(さかんや)】⇒壁塗りを職業とする人。かべぬり。

【建築屋(けんちくや)】⇒建物を建てることを職業とする人。

【劇場(げきじょう)】⇒映画や演技などを観客に見せるための建物。

【廊下(ろうか)】⇒建物における部屋と部屋をつなぐ細長い通路。

【邸宅(ていたく)】⇒家。特に構えが大きくてりっぱな造りの家。

【塀(へい)】⇒用心や目隠しのため、家や敷地の境界に建てた板・土・ブロックなどの障壁。

【見るに忍びない(みるにしのびない)】⇒あまりにも気の毒であったり、ひどい状態であったりして、見ているのが非常につらい。

【若し(もし)】⇒もし。

【気象(きしょう)】⇒気性。生まれつきの性質や気質。

【確かりした(しっかりした)】⇒しっかりした。

【相当(そうとう)】⇒価値や働きなどが、その物事とほぼ等しいこと。

【未だ(まだ)】⇒まだ。

【呉れた(くれた)】⇒くれた。

【それだのに】⇒それなのに。

【経帷布(きょうかたびら)】⇒経帷子(きょうかたびら)。 仏教の葬式で、死者に着せる衣のこと。

【棺(かん)】⇒死者を葬るときに遺体を納める容器。ひつぎ。かんおけ。

【回転窯(かいてんがま)】⇒回転する窯のこと。「窯」とは、陶磁器・ガラスや炭などを作る際に、素材を高温度で焼いたり溶かしたりするための装置を指す。

【葬る(ほうむる)】⇒死体・遺骨を墓所に納める。埋葬する。

【裂(きれ)】⇒織物を切ったもの。布 (ぬの)。

【浸み込む(しみこむ)】⇒染み込む(しみこむ)。液体が物の中まで徐々に深くしみる。

【委しい(くわしい)】⇒詳しい。

【所書(ところがき)】⇒紙などに書きつけた住所。

【是非々々(ぜひぜひ)】⇒「ぜひ」を強調した表現。

【湧きかえる(わきかえる)】⇒大勢の人が熱狂して大騒ぎする。

【呷る(あおる)】⇒酒などをひと息に飲む。

【へべれけ】⇒酒にひどく酔って正体のないさま。

【細君(さいくん)】⇒自分の妻を指した語。

まとめ

 

以上、本記事では『セメント樽の中の手紙』に出てくる語句や漢字を一覧にしてまとめました。言葉の意味が分かれば、本文の読解もしやすくなるはずです。ぜひ定期テストなどの対策としてもらえればと思います。