教科書『異なり記念日』の要約&本文解説、テスト対策問題

『異なり記念日』は、教科書・論理国語で学習する文章です。高校の定期テストの問題にも出題されています。

ただ、本文を読むと筆者の主張が分かりにくいと感じる箇所も多いです。そこで今回は、『異なり記念日』のあらすじや要約、意味調べなどを解説しました。

目次

『異なり記念日』のあらすじ

本文は、三つの段落から構成されています。ここでは、各段落ごとのあらすじを簡単に紹介していきます。

あらすじ

①感音性難聴を持つぼくが、迷子になっている盲者の老人を見つけた。ぼくは老人に声をかけたが、うまく伝わらなかった。通りかかったOLに助けを求め、最終的にぼく一人で老人をなんとか家まで送り届けた。それは、ろう者のぼくによる初めての盲者ガイド体験となった。

②ぼくは今でもあのときのことを、まざまざと思い出すことができる。それは痛みと甘さの入り交じったような感情で、リアルに思い出せるものである。この出来事が、ぼくにとって初めての「異なり記念日」になった。

③盲者とろう者は、第三者を介在しないとコミュニケーションがとれないと思っていた。当時のぼくは、聴者に対しては引け目を感じていた。だが、あの日はそんなことを考える余裕もない偶然のかかわりによって、盲者と聴者それぞれに対する新しいやりとりの方法が開かれた。「異なることがうれしい」ということもありえるのだと知った。社会的なマイノリティとして、冷たい「異なり」も常時感ぜざるを得ないが、「異なることが嬉しい」という無類の喜びの存在も信じていたい。

『異なり記念日』の要約&本文解説

200字要約 感音性難聴をもつ「ぼく」は、迷子の盲者の老人を家まで案内するという初めての盲者ガイドを経験した。この出来事は、痛みと喜びが入り交じった強い記憶として残り、「異なり記念日」となった。盲者とろう者は第三者なしでは通じ合えないと思っていたが、偶然の関わりの中で新しいやり取りの可能性に気づいた。「異なること」は不利さだけでなく、喜びにもなり得ると知り、その価値を信じたいとぼくは考えるようになった。

この文章は、感音性難聴をもつ「ぼく」が、盲者の老人を助けた体験を通して、「異なること」の意味を考え直す話です。筆者の主張は、障害などの違いは人を分け隔てるのではなく、喜びや新しい関係を生み出す可能性がある、という点にあります。

物語の前半では、迷子になっている盲者の老人を前にして、ぼくがうまく声を届けられず戸惑う場面が描かれます。通りかかったOLに助けを求めながらも、最終的には自分一人で老人を家まで送り届けます。この経験は、ろう者であるぼくにとって初めての盲者ガイドであり、大きな挑戦でした。

後半では、この出来事が「異なり記念日」として、今でも鮮明に思い出されることが語られます。痛みと甘さが入り交じった感情として記憶されている点から、この体験が単なる成功ではなく、戸惑いや不安を含んだ深い学びだったことが分かります。

筆者は当初、盲者とろう者は第三者がいなければ通じ合えないと思い込んでいました。また、聴者に対して引け目も感じていました。しかし偶然の関わりの中で、相手に合わせて工夫すれば、新しいやりとりが生まれると気づきます。つまりこの作品は、「異なること」を否定せず、その価値を信じることの大切さを伝えているのです。

『異なり記念日』の意味調べノート

【挙動不審(きょどうふしん)】⇒態度や動きが落ち着かず、怪しく見えること。

【野次馬根性(やじうまこんじょう)】⇒物珍しさから関係のないことに首を突っ込みたがる気持ち。

【遠巻きに(とおまきに)】⇒距離を取って周囲から見るさま。

【盲者(もうしゃ)】⇒視覚に障害があり、目が見えない人。

【下衆の勘ぐり(げすのかんぐり)】⇒品性が劣って心の卑しい者(下衆)は、何事においても余計な邪推を働かせて、相手に悪意や敵意があるのではないかと疑うものだ、という意味のことわざ。

【障壁(しょうへき)】⇒行動や理解を妨げる壁となるもの。

【不明瞭(ふめいりょう)】⇒はっきりせず、分かりにくいこと。

【不穏(ふおん)】⇒何か悪いことが起こりそうで落ち着かない様子。

【身じろぎ(みじろぎ)】⇒体を少し動かすこと。

【誘導(ゆうどう)】⇒相手を目的の方向へ導くこと。

【言葉を尽くす】⇒できる限り多くの言葉で説明すること。

【カタコト】⇒発音や言い回しが不完全な話し方。

【不審そうに】⇒疑わしいと感じている様子で。

【快諾(かいだく)】⇒気持ちよく承知すること。

【盲者ガイド(もうしゃガイド)】⇒盲者を安全に案内すること。

【まざまざと】⇒はっきりと。ありありと。

【胸にわだかまる】⇒不安や不満が心に残って消えないこと。

【追憶(ついおく)】⇒過去の出来事を思い出すこと。

【ろう者】⇒聴覚に障害があり、音が聞こえない人。

【爽快感(そうかいかん)】⇒気分がすっきりする感じ。

【聴者(ちょうしゃ)】⇒聴覚に障害のない人。聴覚障害者との対比で使われる表現。

【引け目を感じる(ひきめをかんじる)】⇒自分が劣っていると感じて気後れすること。

【卑屈(ひくつ)】⇒自分を必要以上に低く見てしまう態度。

【地盤(じばん)】⇒物事を支える基礎となるもの。

【いびつ】⇒形や状態が整っていないこと。

【悲観(ひかん)】⇒悪い結果になると考えること。

【無類(むるい)】⇒並ぶものがないほど程度がはなはだしいこと。

『異なり記念日』のテスト対策問題

問題1

次の仮名部分を漢字に直しなさい。

①彼はゼンモウでも明るく生きている。

②状況をカンアンして判断する。

③授業で面白いソウワが語られた。

④二人の距離がビミョウに縮まる。

グウゼンの出会いが運命を変えた。

解答

①全盲 ②勘案 ③挿話 ④微妙 ⑤偶然

問題2

「杖は、白かった」とは、どのようなことか。

解答

杖が白いことによって、その人物が視覚障害者であり、道路の通行に著しい支障があることが分かったということ。

問題3

「声が伝わっていない」とは、どのようなことか。

解答

発声の不明瞭な自分の言っていることを、相手が理解できていないということ。

問題4

「初めての異なり記念日になった」とは、具体的にどういうことか。

解答

聴覚障害を持つ自分が、健常者のOLの助けもありながら、視覚障害者の老人を家まで送り届けるという、異なる立場の者同士の交流をした記念すべき日になったということ。

問題5

次のうち、本文の内容を表したものとして最も適切なものを一つ選びなさい。

(ア)感音性難聴をもつ「ぼく」は、盲者の老人を助けようとしたが、意思疎通の難しさから失敗し、障害者同士の関わりの困難さを強く実感した。

(イ)感音性難聴をもつ「ぼく」は、迷子の盲者の老人を家まで案内する経験を通して、異なる立場の者同士でも新しい関わり方が生まれ、「異なること」が喜びになり得ると気づいた。

(ウ)感音性難聴をもつ「ぼく」は、健常者であるOLにすべてを任せることで、盲者の老人を安全に家まで送り届けることができた。

(エ)感音性難聴をもつ「ぼく」は、聴者に対する劣等感を克服するために、盲者ガイドの訓練を積む決意を固めた。

解答

(イ)

まとめ

今回は、『異なり記念日』について解説しました。ぜひ定期テスト対策として活用していただければと思います。

この記事を書いた人

大学卒業後、国語の添削員として就職。その後、WEB運営会社を起業し、現在は主に言葉の意味について記事を執筆中。
「保有資格」⇒漢字検定1級・英語検定準1級・簿記二級・宅建など。

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