この記事の所要時間: 617

 

今回は
請負」と「委託
の違いを解説していきます。

 

「請負契約書」「委託契約書」

上記の言葉には、
どんな違いがあるのでしょうか?

委任」も合わせて、
解説していきたいと思います。

 

では、さっそく見ていきましょう。

スポンサーリンク

請負の意味

 

まずは、
「請負」の意味です。

【請負(うけおい)】

請け負うこと。依頼人と日限・報酬等を定めて仕事を引き受けること。また、その仕事。

当事者の一方(請負人)がその仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対して報酬を与えることを約する契約。請負契約。

保証すること。請け合うこと。

出典:三省堂 大辞林

請負」とは、
完成を条件に、仕事を引き受けること
を言います。

 

よくある使い方が、
請負契約」です。

「請負契約」とは、
仕事の完成を条件に、報酬を支払う契約
のことです。

 

例えば、
「A社」という建築会社がいたとします。

 

「A社」は、
家を建てる仕事が中心ですが、
全部の仕事を自社だけでやろうとすると
大変効率が悪いです。

そこで、
「B社」と「5か月以内に家を完成させる」
という条件で「請負契約」を結びました。

 

仮に、契約通りに
ちゃんと家を完成できれば、
A社はB社に報酬を払います。

一方で、
もしも期限以内にB社が家を完成できない場合、
A社はB社に報酬を払いません。

 

これは、冷静に考えれば当然の話ですよね?

 

会社同士で請負契約をしたとしても、
その背後には、必ずお客さんがいます。

そのお客さんに、

頑張ったけど、間に合わなかったよ!

と主張しても話にならないでしょう。

 

そもそもが契約違反ですからね。

 

つまり、「請負」とは、
仕事を完成させることが必須条件
になるということです。

ここが、大事なポイントですね。

 

どんなに頑張って働いても、
その仕事を完成できなければ、
「請負契約」としては成立しないのです。

スポンサーリンク

委任の意味

 

続いて、
「委任」の意味です。

【委任(いにん)】

仕事などを、他人にまかせること。委託すること。

当事者の一方(委任者)が相手方(受任者)に一定の事務の処理を委託し、相手方がこれを承諾することによって成立する契約。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

委任」とは、
仕事の実行を任せること」を言います。

 

例えば、
以下のような使い方をします。

「弁護士と委任契約を結び、裁判の代理をしてもらう」

 

裁判などの難しい問題は、
プロに任せたほうがいいです。

そのため、
弁護士に仕事を全部任せるという意味で、
「委任」を使うわけですね。

 

ここで大事なことは、「委任」は、
必ずしも仕事の完成を条件にはしていない
ということです。

 

したがって、
もし仮に弁護士が裁判で負けたとしても、
ちゃんと報酬を払わなくてはいけません。

なぜなら、
裁判というのはいくら頑張ったとしても
負ける場合があるからです。

 

別の言い方をすると、「裁判の代理」は、
仕事の完成を約束できるようなものではない
ということですね。

 

そのため、
「委任契約」などは、一般的に
依頼したことをできる限りやってください
という契約内容がほとんどです。

そこには、
仕事の完成の有無などは条件に入りません。

スポンサーリンク

委託の意味

 

最後に、
「委託」の意味です。

【委託(いたく)】

ゆだね任せること。人に頼んで代わりにやってもらうこと。

契約などの法律行為やその他の事務処理を他人に依頼すること。

③客から取引所の取引員に注文を出すこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

委託」とは、
第三者に、仕事の依頼をすること
を言います。

この場合の「仕事」とは、
「幅広い種類の仕事」という意味です。

 

そして、
その依頼方法は「請負」か「委任」
のどちらかに分かれます。

これを簡単に図式で表すと、

委託」≧「請負」or「委任」

となります。

 

つまり、
委託」という大きな項目の中に、
「請負」と「委任」が含まれる
わけですね。

 

したがって、
「委託契約」という言葉だけだと、
「請負」なのか「委任」なのかは
判断できないことになります。

ただ分かることは、
「仕事をお願いする契約」
ということだけですね。

請負・委任・委託の違い

請負 委託 違い 委任 

 

ここまでの内容を整理すると、

請負」=完成を条件に、仕事を引き受けること。

委任」=仕事の実行を任せること。

委託」=第三者に、仕事の依頼をすること。

ということでした。

 

「委託」については、
「仕事を依頼すること全般」
という意味なので大丈夫ですね。

 

問題は、
「請負」と「委任」です。

この2つを区別する方法は、
仕事を完成させるかどうか
ということになります。

 

「請負」は、
仕事を必ず完成させること
が求められます。

例えば、
「家の完成」のような具体的な結果を要求し、
その結果に対してお金を払うのです。

 

一方で、「委任」は、
頼んだ仕事を行ってくれること
が求められます。

したがって、
仕事の完成は必ずしも求められていないのです。

 

まとめると、

請負」=仕事の完成が条件。完成した場合にお金を払う。

委任」=仕事の実行が条件。完成しなくてもお金は払う。

委託」=「請負」と「委任」を含む大きな意味を持った言葉。

となります。

関連記事:>>折衝と交渉の違いとは?意味や使い方も

 

基本的には、
上記のような理解で問題ないです。

 

あえて付け加えるなら、

「請負」は、「家や建物」のように、
モノの完成」という仕事を引き受けます。

一方で、「委任」は、
「弁護士による裁判」などのように
の行為」という仕事を引き受けるのです。

 

このあたりのイメージも
頭の中に入れておきましょう。

ちなみに、
似たような言葉で
委嘱」と「嘱託」があります。

関連記事:>>委嘱と委託の違いとは?嘱託の意味も解説

 

これらの意味も、全体像を
クリアにするために確認しておきましょう。

スポンサーリンク

使い方・例文

 

それぞれの使い方を
実際の例文で確認しておきましょう。

 

請負の使い方】

  • そのハウスメーカーは、地元の大工さんと請負契約をしている。
  • 自動車メーカーは、各部品メーカーと請負契約を結んでいる。
  • 土木工事の請負業者によって、道路を新設しているようだ。
  • 電気工事の請負業者がきて、エアコンの取りつけをしてくれた。

 

委任の使い方】

  • 病院で治療してもらうために、委任契約を結ぶ。
  • 建築会社は不動産仲介会社と委任契約を結ぶことが多い。
  • A社は、販売においてB社と委任契約を結んでいる。

 

委託の使い方】

  • 化粧品の委託販売業者が、最近よく訪問してくる。
  • マンションの運営を、管理会社に委託する。
  • 管理会社に委託された清掃員によって、掃除が行われる。

 

病院での診察行為は、
全て「委任」となります。

なぜなら、
手術に成功しようが失敗しようが、
同じ診察代を取られるからです。

 

また、不動産の仲介なども
委任」の代表例です。

建築会社は、家の建築は自社で行い、
その後の販売は不動産会社に任せることが多いです。

そのため、
「必ず家を売ることが条件ではなく、
できる限りの販売活動をお願いします」
という意味で「委任契約」を結ぶわけですね。

まとめ

 

いかがだったでしょうか?

 

今回の内容をまとめると、

請負」=完成を条件に、仕事を引き受けること。

委任」=仕事の実行を任せること。

委託」=仕事全般の依頼をすること。

となります。

 

請負」は、完成を条件に報酬を払い、
委任」は、未完成でも報酬を払う。

委託」は、請負と委任を含んだ言葉。

と覚えておきましょう。

 

今回は以上となります!

スポンサーリンク