この記事の所要時間: 444

 

今回は、
他山の石
について解説していきます。

 

「他山の石」という言葉は、
中学の漢文で習う有名なことわざだと思います。

ところが、
このことわざの意味を、
誤解している人は非常に多いです。

そのため、
ありがちな誤用なども含めて、
解説していきたいと思います。

 

では、さっそく見ていきましょう。

スポンサーリンク

他山の石の意味

 

「他山の石」
の意味を辞書で引くと、
以下のようにあります。

【他山の石(たざんのいし)】

よその山から出た、つまらない石。転じて、自分の修養の助けとなる他人の誤った言行。

出典:デジタル大辞泉(小学館)

他山の石」とは、
他人の誤った行いでも、自分のためになること
という意味です。

 

使い方としては、
以下のように使います。

「彼の交通事故を他山の石として、運転には気を付けよう。」

この場合は、
「彼が交通事故にあった」という失敗を元に、
「自分も気を付ける」ということですね。

 

「他山の石」は、
他人の失敗や過ちを見て、
参考にするような場合に使うのです。

 

ここで気を付けることは、
「他山の石」は、正しい行いを
参考にする場合は使わない
ということです。

 

例えば、
以下のような使い方は間違いです。

「彼の成功体験を他山の石として、自分もがんばります。」

この例文だと、
「成功体験」=「間違った行い」
というよく分からない意味になってしまいます。

 

特に、目上の人に対して
このような発言をすると、大変失礼になるでしょう。

 

また、「自分と関係ないこと」
という意味で使うのも誤用です。

 

「他の山」と書くので、
自分と関係なさそうに見えますが、
実際は自分と関係があるという意味です。

間違えないように気をつけましょう。

他山の石の由来

他山の石 由来 語源

「他山の石」の由来は、
中国の「詩経(しきょう)」にあります。

 

「詩経」とは、
中国最古の詩集のことです。

その中の「小雅・鶴鳴(しょうが・かくめい)」
という部分に、以下の記述があります。

他山の石を以て玉を攻むべし

これを簡単に訳すと、
以下のようになります。

よその山から出た質の悪い石でも、自分の玉を磨くのに役立てられる

 

「石」とは、
「その辺に落ちている石」を指します。

一方で、
「玉」とは「宝石など立派な石」を指します。

 

つまり、
役に立たなそうな石でも、
自分の宝石を磨く石として役に立つことができる

ということですね。

 

「宝石を磨く石」というのは、
砥石(といし)
をイメージすると分かりやすいです。

「砥石」とは、
包丁やナイフを磨くための石のことです。

 

よくテレビなどで、
包丁をきれいに磨いている料理人を見ると思います。

実際に、「砥石」で包丁を磨いた後は、
ダイヤモンドのようにピカピカになります。

一見、汚なそうな石でも、
料理においては欠かせないアイテムでしょう。

 

つまり、
見た目はつまらない石でも、
宝石を磨くためなら便利な石となる
のです。

 

ここから、
他人の誤った行いでも、実際は自分の役に立つ
という意味になったわけですね。

スポンサーリンク

他山の石の類語

 

「他山の石」の
「類語」は以下の通りです。

【反面教師(はんめんきょうし)】

悪い見本として参考になるような人。

中国の毛沢東の言葉が由来と言われています。

【人を以て鑑と為す(ひとをもってかがみとなす)】

他人の言動を見て、自分を正すこと。

「鑑」とは、「手本」という意味です。

【人の振り見て我が振り直せ(ひとのふりみてわがふりなおせ)】

他人の行いを見て、自分の行いを改めること。

「振り」とは、「態度や言動のこと」を言います。

【殷鑑遠からず(いんかんとおからず)】

参考となるものは、遠くではなく近くにあるということ。

「殷」は古代中国の王朝、
「鑑」は「手本」を意味します。

「殷」が滅びた原因は、遠い時代ではなく、
身近な時代にあったことが由来です。

【前車の覆るは後車の戒め(ぜんしゃのくつがえるはこうしゃのいましめ)】

先人の失敗は、後の人への教訓となること。

「覆る」とは、
ひっくり返るという意味です。

前の車がひっくり返るのを見たら、
後ろの車は気を付けるべきということです。

「他山の石」の類語は多いため、
ここでは代表的な物を挙げました。

 

共通しているのは、
過去の失敗や他人の過ちを教訓にする
ということですね。

スポンサーリンク

他山の石の使い方・例文

 

「他山の石」の使い方を、
実際の例文で確認しておきましょう。

 

  1. 彼は仕事で大きなミスをしたが、他の社員はこれを他山の石としてほしい。
  2. 飲酒運転のニュースが多いが、他山の石として自分も気を付けよう。
  3. 私は今まで何回も失敗してきたが、ぜひこれを他山の石としてほしい。
  4. ライバル会社が不正会計をしていた。今回の事件を他山の石と考えて欲しい。
  5. あいつはすぐ怒る性格だが、他山の石として人にやさしくできるようにしよう。

 

使い方としては、
他山の石とする」が多いです。

 

ちなみに、
「他山の石」は英語だと
以下のように言います。

learn from other’s mistakes
(他人の失敗から学ぶ)

let this be an object lesson to you
(もって他山の石とすべし)

 

「mistake」は「過ち」
「lesson」は「教訓」という意味です

つまり、
「他人の失敗や教訓から学ぶ」
ということですね。

まとめ

 

いかがだったでしょうか?

 

今回の内容をまとめると、

他山の石」=他人の誤った行いでも、自分のためになること。

ということでしたね。

 

「他山の石」は、
一見すると簡単にも見えますが、
実は勘違いする人が多い言葉です。

この記事をきっかけに、
ぜひ正しい意味を理解して頂ければと思います。

 

今回は以上です!

スポンサーリンク