この記事の所要時間: 454

 

今回は、
ニヒリズム
の意味を解説していきます。

 

一般的には、「ニヒリズム」は、
「哲学の用語」というイメージですね。

ところが、
実際は大学入試の現代文にも
よく出る重要単語なのです。

そのため、「現代文」と「哲学」の
両方に着目して解説していきたいと思います。

 

では、さっそく見ていきましょう。

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ニヒリズムを簡単に

 

「ニヒリズム」
の意味を辞書で引くと、
以下のように書かれています。

【ニヒリズム】

真理・価値・超越的なものの実在やその既成の様態をことごとく否定する思想的立場。

一般に無や空を主張する思想態度。仏教・老荘思想をはじめとして古来から多くの形態がみられる。

特にヨーロッパ近代社会やキリスト教文明の根底に対する否認の思想。一九世紀後半のロシアの文学思潮・革命思想、ニーチェの哲学などに顕著。虚無主義

出典:三省堂 大辞林

ニヒリズム」とは、
真理や価値を否定する考え方のこと」を言います。

 

真理(しんり)」とは、
絶対的に正しいこと」だと思ってください。

つまり、
絶対的に正しいことなんてない!
という考え方を「ニヒリズム」と言うわけですね。

 

絶対的」の意味は、
以下の記事を参照してください。

>>相対的と絶対的の意味をわかりやすく解説

 

具体例を出します。

私たちの身の回りには、
「絶対的に正しい」という考え方があふれています。

  • 人は必ず仕事をするべきである。
  • 夢は必ず持った方が良い。
  • 人は絶対に殺してはいけない。

いずれも、
当たり前のことですよね。

 

しかし、
「ニヒリズム」というのは、
このような考え方を否定します。

「ニヒリズム」では、

  • 「なぜ働かなければいけないのか?」
  • 「なぜ夢を持たないといけないのか?」
  • 「なぜ人を殺してはいけないのか?」

といった質問に、
究極的には答えがない」と考えるのです。

 

言いかえれば、
そんなこと考えても意味ない
正解なんてあるわけない
ということですね。

 

ニヒリズム」は、一般的には、
虚無主義(きょむしゅぎ)」と訳されています。

「虚無」とは、
「何もない・からっぽ」という意味です。

 

つまり、
「働く意味なんて何もない
「夢を持つ意味なんて何もない
ということですね。

 

「ニヒリズム」は、
世の中の全ての物事は「虚無」であり、
人間が作った勝手な解釈だと考えます。

したがって、
真理や道徳・価値観などは「根拠がない」と主張し、
真っ向から否定するわけですね

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ニヒリズムをさらにわかりやすく

ニヒリズム わかりやすく

 

「ニヒリズム」を理解するには、
歴史的な背景を知っておく必要があります。

 

まず大事なのは、「ニヒリズム」は、
近代以降になって生まれた考え方
ということです。

近代」については、
以下の記事を参照してください。

>>近代とはいつからいつまで?現代との違いも解説

 

「ニヒリズム」は、
近代以前には存在しない考えでした。

なぜなら、近代より前は
神様が人間に「生きる意味・価値観」
などを与えてくれたからです。

 

しかし、
近代になると「神が絶対的」という
キリスト教的な価値観は否定されるようになりました。

そして、
「個人の自由を尊重する考え」が
広まっていったのです。

 

「自由」であることは、
人間にとって選択肢が増え、
人生が豊かになったことだと言えます。

ただ、それと同時に
生きる意味を自分で見出さなければならなくなった
とも言えるでしょう。

 

もしも、
生きる意味を見い出せなかった場合、
人は人生の目標がよく分からなくなってしまいます。

その結果、世の中のあらゆる価値を
否定する態度にもつながりかねません。

 

「ニヒリズム」とは、このように
宗教的な価値観が薄くなった結果、生まれた考え
だったのです。

 

大まかな流れを整理すると、

前近代(神が絶対的という時代)」⇒
近代(個人が主役の時代)」⇒「自由を得て、選択肢が増える」⇒
「同時に、生きる意味が分からなくなる」⇒「ニヒリズムが誕生」

このように考えると、
分かりやすいかと思います。

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ニヒリズムの使い方・例文

 

「ニヒリズム」の使い方を、
実際の例文で確認しておきましょう。

 

  1. 「人生など意味がない」と考えるのは、ニヒリズムだ。
  2. 価値や権威を一切否定するのが、ニヒリズムである。
  3. 彼は「大学など行く意味がない」とニヒリズム的なことを言った。
  4. 戦後の敗戦国は、信じていた価値観の崩壊によりニヒリズムに陥った。
  5. ニーチェは積極的ニヒリズムを肯定した哲学者だ。
  6. 積極的ニヒリズムにより、既成の価値観を打ち破っていく。

 

「ニヒリズム」という言葉は、
否定的な意味で使われることが多いです。

具体的には、
「生きる意味を見失う」
「人に流されて生きていく」
といった消極的な考え方ですね。

現代でも、
それについて論じた書籍は
多数発行されています。

 

ただし、
場合によっては良い意味で
使うこともあります。

上の例文だと、最後の2つですね。

この場合は、
すでにある価値観を虚無とし、新しい人間としての
生き方を見出していく」という前向きな考え方です。

 

この考え方を主張したのは
哲学者の「ニーチェ」だと言われています。

 

ニーチェは、19世紀末という早い段階から
ヒューマニズム」を疑い、
「近代」という時代を批判しました。

「ヒューマニズム」については、
以下の記事を参照してください。

>>ヒューマニズムとは?意味を簡単にわかりやすく解説

 

「ニーチェ」は、
全てのものを無価値と考えることにより、
逆に「毎日をポジティブに生きよう」と考えたわけですね。

まとめ

 

いかがだったでしょうか?

 

今回の内容をまとめると、

ニヒリズム」=真理や価値を否定する考え方のこと。虚無主義。

良い意味でも悪い意味でも使う。

ということでしたね。

 

長い人生、「何が正解か」
分からなくなる場合もあるかと思います。

そんな時は一歩引いて、
「真理を疑ってみる」
ということも大事かもしれませんね。

 

今回は以上となります!

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